6月 04
川へ石を採りに入った。
沢の浅瀬に散らばる石 自然が創り出す小さな美しい造形美は さまざまな形を生み 色も多種多様で一つとして同じものは無い。 時間が経つのも忘れ石探しに没頭した。 当たり前だが 川の流れは川上から川下へ向かい 一定方向へ流れる自然のリズムは変わらない。
石探しに飽きて 沢の流れに置き石をして愉しんだ。すると流れが変わり 埋もれていた川底の見えなかった石は 新たな流れが出来たことにより澱みが浄化され 思いもよらなかった珠玉の原石が姿を現した。
河原で手にした何でもない石を持ち帰り 砂で水蘚(みずごけ)を洗い落す。
尖っていた石は 絶え間ない水の流れによって削られ所々丸みを帯び 美山幽谷雄大な山を想起させる。 拳ほどの大きさの石に裂け目が入ったものは 鉄分を多く含むため全体が紅く まるで秋の紅葉に映える渓谷に現れた一筋の滝。 堆積していた時の変異で 屋根の軒下のような形が出来上がった石 そこに人形を置いてみると 「雨宿り」の物語が生まれる。 流麗見事な三角錐(さんかくすい)となった石の肌は霊峰を覚え その中に浮かび上がる姿は 紛れもなく達磨禅師が坐している。
偶然足もとにあっただけの河原石 足に触った幸運と巡りあった その川の名前は神之川である。
自然が織りなす生命の神秘 その色 形はさまざまであり決して一つではなく それぞれの役割を持ち生きている。 埋もれた原石を見つけ出すのは 人がもつ意識を変えることだけで発見できる。

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