6月 30

誇るべき 日本の仕草手刀を切る

〇東京は隅田川のほとり、浅草から川を渡った所に花街向島はある。ここは、今でも芸者衆のいる料亭街で、粋(いき)な姐(あね)さん、鯔背(いなせ)な男衆の似合う風情ある街だ。年に数回、墨堤協同組合会館で芸者衆が日頃の芸を披露し、観賞できる催しがあって小生も足を運んだ。畳みの会場は満席で、海外の観光客も多数いた。その大半は用意された椅子に座り、日本の伝統芸能、芸者衆の唄や踊りを堪能する。正座して見ていた小生が、会場の最後尾から撮影しようと思い、フランス人観光客の団体前を手刀を切り通ったら、その中の数人が、同席していた観光通訳に同じ仕草をして「あのサインは何?」と質問していた。フランス語の解らない小生は、逆に通訳の女性に手刀のことをどう説明したのか聞くと「他人に対して謙虚に接する、日本の格式ある礼儀伝統文化だ」と教えてくれた。---小生、そこまで意識していた訳ではなかったので、少々気恥ずかしい気持ちではあったが・・・。
〇記憶に残る、行きつけのショップがある。そこに置かれてある品々は、体を張る職人衆が身に着ける作業衣や、道具類などを扱っている。初めてそこを訪れた時、鳶(とび)職人の親方と若い衆が5・6人いて店内は賑やかだった。小生が陳列棚に置かれてある鯉口(こいくち)シャツを吟味している時、汗と泥に汚れた作業衣の親方(50歳代後半)が『前を御免なさいよ』と一言添えて、手刀を切り横切って行かれた。
---当たり前の行為仕草といえばそれまでだが、日本にいても、なかなかその仕草をする場面に出くわすことは極めて稀だ。極たまに、電車内で年配の紳士が、席に座る時に見かける時があるが、コンビニの店内とかでは皆無に等しい。親方の颯爽とした後ろ姿に感動したこともそうだが、連れの若い衆が、同じ様に手刀を切る仕草を受け継いでいる姿にも爽やかさを感じ、それからそのしショップに心底惚れ込んでしまっている。
〇店内で手刀は切っても、記憶に残るショップとは、まだまだ長い付き合いになりそうだ。

6月 22

エスカレーター

 〇写真は昨日、6月17日(火)朝7:18の東京駅 4・5番線ホーム用登りELを撮影したものです(この時のELは停止している)。

---7:20発の京浜東北線で品川へ向かおうと、ELに乗った小生。中程まできた時、突然ELが停止した。手摺りを持ち立ち止まっていた為に、衝撃はそれほど感じなかったが、これが下りELで、しかも駆け降り状態の場合、間違いなく落下する。

6月 13

〇今では無茶な話しだが、スポーツ運動時、練習中に水を飲むことが悪とされて
いた時代があった。『水を飲めば疲れるから、飲むな!練習中に水を飲むとは何
事か!耐えられないのはまだまだ鍛え方が足らない!』〇真夏の炎天下、長時間
水分補給を摂らないと体力は極端に低下し、熱中症から生命の危機にまで陥る。
ここ数年、日本の夏猛暑の気温は、地球熱帯化で人の体温と同じ位にまで上昇し
ている。暑さをしのぐための冷房は有り難い半面、皮膚の乾燥を増長させ、体内
にある6割(約24L)の水分が徐々に奪われていく。 
〇売上達成のために、生産効率を最優先する余り、機械(生産ライン)を停める事
を極端に嫌う工場では、作業者の水分補給は30年前と、まったく同じ認識には驚
く。『ラインが止まるから、水を飲みに行くのは我慢せよ!監視カメラで見られ
ているから、映らないところで飲め!』機械を動かしているのは人間である。過
熱する工場ラインの、しかも騒音の中で充分な水の補給ができないまま作業を続
けると、判断能力も鈍り単純ミスが続発し、思いもよらない所で転倒したりする
。結果生産効率は上がることなく、従業員の不満の声だけが蔓延し『暑い工場に
クーラーを設置しろ!扇風機を据え付けろ!』と余分な経費だけが上昇していく
。たとえ冷房機能のある工場内であろうと、作業をする人間には稼動中であれば
こそ、こまめな水の補給は不可欠である。
〇今の日本社会に最も欠けている水の補給。自分たち一人ひとりが、社会制度の
当事者である認識を持てば、責任を負う上層部に対し『悪しき伝統(水分補給をこ
まめにとれない社会)からは共に卒業しよう』と勇気を持って提言できる。時代の
鎖からも学んだ教えを根っこに、小さくともひとすじの花を咲かせたい。