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【第19回いじめ・虐待防止フォーラムの報告】

2012年(平成24)4月26日(木) 新宿区大久保地域センターで「第19回いじめ・虐待防止フォーラム」が開催された。
今回は「サークルダルメシアン16年の歩み」と称して、主宰である岡田ユキを囲みながら座談会形式で始まった。

岡田ユキ

岡田―――「私が16年前に始めた[いじめ虐待]に対する取り組みは、生まれ育った家庭環境で体験した親兄弟による[いじめ虐待]が根底にある。 結婚して出産やがて離婚の道を選び上京、シングルマザーとして経済面や子育てにおいても苦悩の日々が続き、生きることへの葛藤を繰り返す中、新宿区内在住の教師、区議会議員、大学教授らの運営で行われていた「子どもサポートフォーラム」でミュージカル制作を中心となって立ち上げた分科会をきっかけに、自らの体験を公表し多くの支持を得た」

―――「虐待を受けて育った人の大部分は、一般の人(ここでいう虐待を受けていない人)との人間関係をうまくとれない現実があるため、その両者の橋渡しが出来る人にここのフォーラムへ来て貰い、話しを聞いて頂きたい思いがある」

虐待を受けて育った岡田が、一般の人と虐待を受けて育った人との違いを、AC(アダルトチルドレン)判別法として類型化した。
―――岡田「まず、虐待を受ける子どもというのは、親の気持ちが解り過ぎる人。 親から言葉の暴力や身体に外的損傷(体罰)を受けても、親の立場を考えて他人にはその事を隠し、周囲に気を使い過ぎるくらいに気を回す。親からすると、居心地のよい子どもである」 ここでいうACとは、子どもなのに大人の内面をもち、親の行動や言動に対してまで責任を取ろうとする人のことをいい、自己達成度合いを200%に置く。

―――「この種の人間は、自分が他人よりも劣っている意識が非常に強い為、何をしても満足度が低くおまけに他人に甘えることが苦手な傾向がある。 家庭内において、肉親から自己を否定させる言動を浴びせられ日常を過ごしているため、人から褒められることに慣れておらず、社会に出て自分を肯定(認める)されたことに対して、どう対応してよいか戸惑ってしまう。 常に答えを探しているような状態で自分を解っていないが、子どもの頃から気遣い気配りに長けているから、一旦仕事に関わるようになると、一般の人がこなす仕事量以上をさばき切れる仕事が出来る。 この頃当人の状態は、目に見えない何かに突き動かされるように仕事に集中し、本人も気づかないうちに周囲の反感を買うようになる。 無我夢中で仕事に没頭している時は良いが、周囲との摩擦や人間関係がこじれたりしてくると、次第に頑張り過ぎが原因で孤独感や心のポッカリ感が生れ、やがて自分を追い込むようになり鬱(うつ)状態になってしまう」

三島修一医師

―――パネリスト三島修一医師 「今の精神医療は、薬物療法にだけ頼っているから治らない」
―――岡田「メディアも[鬱(うつ)]がまるで流行のような過剰報道も、人に良くない影響を与えている」

―――虐待を受けて育ち200%の自己達成度合いの人に対する周囲の対応の仕方を、岡田が助言する「200%で生きてきた人に、もう少しゆっくり休んだらと云われる事ほどきつい言葉はない。当事者は少しでも暇な時間があったりすると、孤独感に押し潰されるくらいに辛い気持になるので、やり過ぎて懸命に頑張っている人に対しては、寄り添うような気持ちで声をかけ接して欲しい」

一方、達成度合いが50%に定義して育った人の場合は満足だらけの人生で、親からは充分過ぎるほど理解されて育ち、自信過剰の日常を送ってきている。 親は子どもに物質的にも過剰に物を与え、更には友達までも親本位で子どもに押しつけているため、自分で友達の作り方が解らないまま育っている。 子ども自身が自らの力で成し遂げようとする前に親が手を差し伸べてしまうので、子どもは不満だけが残ってしまい、200%の人同様に達成感がない。
―――「達成度合い200%の親にして達成度合い50%の子どもが育ち、達成度合い50%の親にして達成度合い200%の子どもができてしまう」

―――「最近中学生に『自分たちの年代から赤ん坊に触れる教育を受けているが、どう思うか』という質問を受けた。 これは現代社会において核家族化が進み、赤ちゃんに接する機会がなく、命の尊さを体験させる主旨で行われているとは思うが、果してそれが母性を育てる心を植え付けられるか疑問だ。 社会における[いじめ虐待]から事件に発展していった不幸な出来事の根本には、母性の欠落が大きな原因である。 単に赤ちゃんと接する機会を作っただけでは、ペットとしての感覚でしか感じられないのではないかと思う」

岡田ユキ

―――会場参加者からの質問『母性はどうしたら育つのでしょうか!?』
「家庭内において夫婦関係がうまくいってないと、子どもにその影響がでる。 得てして女性の場合は男性に対し、何かして欲しい要求が先走りがち、好き嫌いの感情以上に、愛を育む気持ちが大切。 自分が考える理想とする男性像に育てるイメージをもち、関係を作り上げてほしい」
―――パネリスト三島修一医師より
「医療現場でも同じだが、医師と患者の立場である前に同じ人間であること。 家庭内も同様で、親である前に子どもである前に、人であることを忘れてはならない」

5月 16 2012 | 活動報告 | No Comments »