第六回「いじめ・虐待防止フォーラム」のご報告

第六回「いじめ・虐待防止フォーラム」のご報告

  第六回「いじめ・虐待防止フォーラム」が 1月22日(木)新宿区若松地域センター第1集会室で開催された。

 この日の司会進行は 心理カウンセラーでも活躍する新田義治氏。 冒頭 サークル・ダルメシアン代表である 岡田ユキは「市民活動として立ち上げた このいじめ虐待防止フォーラムが 多くの賛同者を得られてこれたのは これまでに出会った多くの方々のお陰であり ご指導があってこそ続けられてきた。今後も この活動の輪を つなげていけるように努力したい」と感謝の意を述べた。    

 今回1部の特別講師として 昭和の歴史に名を残す 「プロレスラー力道山」の夫人 田中敬子氏を招いて「夫・力道山の教え」と題して 特別講演が行われた。 

田中敬子氏

 戦後日本において 「力道山」として彼の足跡は 日本の国技である相撲界に身をおき 関脇として多くの大衆の支持を受け 活躍した経緯がある。 だが 当時の角界では 「日本人でない力士は 横綱にはなれない」との声に 在日韓国籍だった力道山は 敢えて自らその道を 離脱してしまう。 それは自身の本意ではなく 時代の波を受けたあまりにも 悲しい選択だった。
  しかし 新たなる人との出会いにより プロレスという格闘技の世界で新境地を見出し 海外での修行実績を踏まえ 高度経済成長真っただ中の日本で 庶民の夢と希望 羨望の眼差しを受けながら 一時代を築いた。

 やがて 時のヒーロー「力道山」は 日本航空 海外渡航勤務のスチュアーデス 田中敬子さんと運命の出会いをして その後 縁(えにし)の導きにより二人は結婚。  昭和のプロレス界を席捲(せっけん)し 数々の名勝負を繰り広げた「力道山」だったが 剛力無双な世間のイメージとは裏腹に 男性として紳士たる 大らかな優しさを兼ね備え 甲斐甲斐しくよき夫として 新妻敬子さんを支え慈しみ 穏やかな家庭生活だったと語る。  仲睦まじき二人の 結婚前の思い出のひとつに それまで自分の出生の秘密を 「力道山」が敬子さんへ打ち明けた時 「あなたは あなた なにも変わらない」と答えた敬子さん。 その人種偏見の欠片(かけら)もない 素直な言葉に「力道山」は 涙を見せまいと 背中でその想いを受け取ったと云う。  日本中を熱狂の渦に 街頭テレビでは釘づけにした 憧れの英雄も 心優しく ひとすじで 男のなかの男だったのだ。 はからずも非業の最期を遂げた「力道山」ではあったが 彼の残した功績は 日本プロレスの原点的存在だけでは決してない。 

 2部はパネルディスカッション 
特別講師の田中敬子氏を交えて 各有識者による意見交換が行われた。

パネラーの皆様

口火を切った岡田ユキ
「今ある日本の姿は 忌わしい過去の記憶 戦争がこの国の大きな 転換期ではなかったかと思う。 戦後 社会が立ち直ろうとする過程において 人種的差別 偏見による弊害は 人々の目に見えない心の中に 知らず知らずのうちに いじめの根を はびこらせたのではないかと感じている」と語った。

国籍という障壁に翻弄された「力道山」を伴侶とした 田中敬子氏は
「人として 生きていく上で どこの国で生まれた人とか 国籍がどうだとかを 問題視することは無い。 見極めるべきことは その人が如何に生きようとしているか 前向きなのかを判断できる 自分自身の目線に 重きをおくべき」と訴える。

新宿区で更生保護女性会代表を務める 坂本悠紀子氏
「新宿区の人口約30万人 その内約1割が外国人。 保護司としての立場から接してみて 言葉を理解できない人に対する いじめが起きている現実がある。  各家庭に届けられる文書や 国の行政機関・各自治体・教育機関等から提出される 日本語の文書についても わかりやすいように「ルビ」を付け加えるだけで 人の意識は変わる」と提唱。

国立(こくりつ)国際医療センター 国府台(こうのだい)病院 第1内科医長の三島修一氏には 医師の立場から 病む人に対しての解決策が求められた
「病院へ 診察に来られる患者さんの中には 問題を起こす方もおられる。 しかし 得てしてその場合多くの方は 内面に大きな傷を負っていて 自分でも抱えきれない 重荷に実は苦しんでいる。  如何に見えない傷を 見つけられるかは 医師と患者の立場としてではなく お互いは同じ人であるという目線において 初めて心の傷に触れられる。 相手の話を聞いているだけでは 傷の本質は見えてこない。 全てを受け入れ お互いの信頼が通じ合ってこそ 医療を施す事ができる。 まず家庭の中で 今すぐにでも出来る 家族間の意識改革は 食
事の時にテレビをつけず 食する事を心がけて頂きたい」と促した。

NPO法人あきらめないの理事長であり 非常識社長としても活躍する 前山亜杜武氏は危惧する
「多くの若者と接する中で バーチャル(仮想的)ゲームの影響が 現代社会に深く暗い影を落し 持って行き場のない若いエネルギーを 逆利用する形で金儲け・商業主義だけを目的としたものが横行している。 社会的影響の大きいテレビやゲームは 日常極めて身近なところにあり 生活の中から切り離せなくなっている。 テレビ番組の中身やゲームの有無を 社会として見直す時にきている」と力説。

自治体の立場から 新宿区子ども家庭部 子ども家庭主査 小野川文恵氏は
「外国人のほとんどは 地域社会に溶け込みたいと思っているが 受け入れる側 当の日本人の大半は 外国人というだけで 悲しいかな偏見が余りに多い。  実例を挙げると 外国人のゴミ出しマナーが悪いとの苦情に 現地調査をしたところ 実際マナー違反の大半は日本人だったと判明した。  これも 勝手な思い込みによる偏見が 心に壁を作ってしまう。 文化の違いや生活環境の違いはあっても まず 外国人という差別意識を ぬぐい去ってほしい」と 率直な意見を述べた。

 「力道山」が活躍していた昭和の時代 平成の世となり社会構造 スポーツ界も大きく変化してきた   今 すでに大きな変革の波の中にいる。  今一度 問いたい 人の豊かさとは 何であろうか。 何故 人は人に向けて 鋭利な刃をむけるのか どうして 言葉に鋭利な刃が必要か。   この単純にして 深刻な課題を解く鍵は  何時の時代であっても 人の心の中にしかない。
日本においては 人の道を説く 道徳教育の実践あるのみである。

2月 07 2009 12:41 pm | 活動報告

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