【第11回 いじめ・虐待防止フォーラムの報告】

第11回 いじめ・虐待防止フォーラム

 平成22年(2010)4月22日(木)新宿区若松地域センターで 児童虐待防止の市民活動団体「サークル・ダルメシアン」主催による定例のフォーラムが開催された。
 フォーラム冒頭 この主宰である岡田ユキが『いじめ・虐待問題はこれまで蓋をされてきたが その防止に際して自分たちの出来ることを 地道に続けてこれたのは これまでに参加して頂いた 多くの応援者のお陰で支えられてきた。これからもこの活動は続けていくことに 大きな意味がある』と挨拶に立ち語った。
 
第11回 いじめ・虐待防止フォーラム

 今回のゲストは 以前このフォーラムでも自身の生い立ちを 寸劇にして参加されたこともある前山亜杜武氏。現在8社のグループ会社からなるアイエムエスグループ会長兼CEOで コンサルティング オール電化事業 飲食 モデルエージェンシーなど幅広く活動を展開しつつ 2007年には児童養護施設に対する 自立支援活動を目的とした「NPO法人あきらめない」を設立し理事長を務め 自らが体験した 非行のどん底から這い上がってきた 更生への過程を活かして 日本中の児童養護施設の積極的援助にも心血を注ぐ。自分の生い立ちを包み隠さず オープンに語る前山氏『何不自由なく育った幼少期だったが 父親の転勤が重なり 家庭内での反抗 転校先での苦い体験が もって行き場のない孤独感を味わい 自分でも抑えきれず非行の道に突き進んでしまった。繰り返される非行の日常に救われたのは「ここまで落ちた息子でも 私には大切だと判った」と 呼び出された警察署の面会時 母親が語った短い切実な一言が「人の道」に戻してくれた。 幸いにも私は虐待の体験はないが 現在全国にある児童養護施設に収容されている子どもたちのうち 約70%は親からの虐待を受けているもので 目に見えない実態数は遥かに多いと思われる。この現実を民間レベルで対応するには限度がある。 他人事ではない国の根幹にかかわることであり より身近で現実に即した即時対応が重要だ』と「有言実行漲る行動の人」前山氏は力説した。

第11回 いじめ・虐待防止フォーラム

 【第一部】では今回で四回目となる特別講演の『東洋の叡智を學ぶ人間関係』講師は 企業人材育成講座 健康セミナー合気道研修会など各種文化活動を通して 日本の心や自然環境 健康に関する啓蒙活動を提唱する徳山暉純氏。
『現代の社会的トラブルは 取り分け人間関係によるもので その答え(解決策)は「温故知新」の言葉通り 歴史という過去の中にその教訓が物語っている。文明の発達と共に 人は利便性を追求する余り 先のことばかりに目がいき 過去を振り返る反省思考が育っていない。その最たる事象が 海岸に捨てられている人間が作り出した産業ゴミの山だ。
地球という奇跡の星に生まれた人類は 自然から奇跡的に与えられた無償の愛を 極めて当たり前のように受け止め 何も語らない自然に対して謙虚さを忘れ 身勝手なまでのお返しを繰り返している。 人類再興を願う人間に 人が學ぶべきものはインド・中国・日本三国伝来の「四書五経における易経」が重要である。その教えは古来公家の場合 大和魂と呼ばれた。 中世の足利にあり儒書・仏書を講述した「足利学校」時代では侍教育をして「武士道」と称した。その後一般庶民の寺子屋に至っては「道徳」となり 人のふみ行うべき道の基礎となったのである。 そこに謳(うた)われていることは 人の気の源は「気」の活用次第で 狂気にも元気にもなる。人の「気」が生まれる元は自然界に備わった「無償の愛」の恩恵によって与えられるものであり 近年における自然環境の破壊は 人の心の善し悪しが反映され現れている人の心の現象だ。 経済は企業家の理念と消費者心理の強弱に影響されるもので「景気」と呼ばれ 人間の経済最優先による過剰なまでの自然破壊は 大気汚染や異常現象として「無償の愛」から無言の警鐘が鳴らされていることに 人々は早く気付かなければならない。 日常の身近な家族でも 身体的虐待や言葉としての虐待を受けている子どもがいるという事実は 子どもの親の「気」は勿論 合わせて取り巻く社会の「気」の使い方が明らかに狂気として病んでいるもので 後天的教育(学校の勉強)以前に先天的教育(自然界から學ぶ)を再構築する必要がある』と締め括った。

第11回 いじめ・虐待防止フォーラム

 【第二部】のパネルディスカッションでは新宿区更生保護女性会代表の坂本悠紀子氏から 保護司としてこれまで培った経験が話された。 『非行に走った人と接する中で 更生の道を手助けする心掛けは とにかく気長にお付き合いさせて頂くことを常としている。 たとえ約束を守らなかったことがあっても会えた時には 決して相手が浮かばれないような話し方はしないで すべての物事は良い方へ受け止め 相手の心が開きやすいように接っしてきた。  生まれた時から悪人がいないように 非行の道を歩んでいる人にも 必ずどこか良い面をもっている。その芽をより良い方へ導いてあげる接し方で声かけは絶やさない。 これまで保護観察対象者との関わりにおいて 家族関係信頼の希薄さに加え 本人が虐待の体験・被害が多いのに気付き 保護司としてより深い愛情を注ぐようにしている』

第11回 いじめ・虐待防止フォーラム

 医療界からは 国立国際医療センター国府台病院第1内科医長の三島修一医師が出席。
『自分自身の生い立ちにおいて 子どもの頃厳しい父親の存在に怯えていた経験がある。大人になってもその精神的苦痛は残り 対人関係にも影響した。とりわけ医療の道に進んだ直後 研修医として接した患者さんとの問診を繰り返すなかで 先輩医師に言われた一言が 医師目線で「聴いてあげていた」自分だったことに気が付いた。 それまでの自分は 患者さんの声を聞いていたようで 実は病人である前の 人としての心の声を聴いていなかった。 目線を下ろすことにより その患者さんの回復は日増しに早まり 「傾聴効果」は見事に改善された。 今でも その時の先輩医師の言葉と 患者さんに教えられた出会いは医師としての宝だ』と語った。

第11回 いじめ・虐待防止フォーラム

(AC判別法を解説する岡田ユキ)

第11回 いじめ・虐待防止フォーラム

 音楽療法を実践する「東久邇宮音楽療法研究会」所属の田中桂子氏と田辺照代氏は 幼少期に人前で話すことが出来なかった体験をもつ。 自分の思いを口に出して伝えることに恐怖を覚えていたという。 その後 美声拡大器を考案し自らその器具を使い歌の練習を重ねた。 歌うことにより人前に出ても慣れ 次第に歌うことに喜びを感じ 聴衆からの拍手で自信を得て自らの苦難を乗り越えた。その実践歌唱を披露し 腹式(丹田)からの発声法が自身の声に気付き ゆっくりと唄う歌唱指導を行った。 
                                     
第11回 いじめ・虐待防止フォーラム

 今回のフォーラムでは 主宰の岡田ユキの実父 河合茂氏も遠路京都より駆け付けた。(ブログ記事「母の死によりまともになった私の家族」を参照のこと)

 会場では終始寡黙に耳を傾けていたが 実り多き時間を共有するかのように 自慢の喉を披露し京都の古謡を響き渡らせた。

 本会の締め括りに坂本悠紀子氏が語った『この集いが 私たちの過ごすこれからの時間に より多くの人の助けとなるようにしていきたい』は 切実にして尊くも祈念する言霊である。
以上

5月 19 2010 03:28 pm | 活動報告

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